なんか言いたくなったこと

アイドルマスターを中心に、余計なことを書く。

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陽気なアイドルが地球を回す

陽気なアイドルが地球を回す 00 レストP


私が見ているくらいだからノベマス好きの人はみんな見てる(断言)、『陽気なアイドルが地球を回す』の話。
たいていの感想は書かれていそうなので、歌詞10選的な、BGMや歌詞から好きなシーンについて少し。
がっつりネタバレありますのでー。



『陽気なアイドル』は、物語(映像・文章)と音楽、それぞれの展開の一致が目にも耳にも楽しい。
タイミングを一致させるために調整するとなれば、
その多くは音楽よりも映像や文章側になるのだろうがそれらにまったく無理がない。
(と考えると、音楽に合わせて展開される物語はPVに似ているのかも)
本作では本来BGMとして作られていない曲も場面に応じて贅沢に使われているが、
中でも「これを聞くために動画を見る!」くらい好きになった曲が、Chouchou「TRICKER」。
本作09話『異常者達』と番外編の美希、16話『十三階段鯨が昇る』のあずさの背景に供される。
番外編はキャラ個別のエピローグになっていたので、どちらかといえば美希のテーマか。

映像・音楽の展開の一致によって相互にポテンシャルが引き出される場面は多いが、
「TRICKER」はそれに加えて歌詞までも人物の状況やその心情に重ねられる。
曲の初出は09話の美希のシーン、公式HPより歌詞の和訳を一部引用する。

ハートの6は仮面舞踏会へと誘う
全部夢だってわかってる
でもどうか起こさないで

左目は自分の手で覆うから
仮面で顔半分だけ隠せばいい

そのカードはスペードの9
近づけないで
悲劇の王様になんてなりたくない
悪夢から覆い隠して
悪夢から覆い隠して
仮面に私を隠して

Aメロから一番サビまで。
トランプ占いでは、「ハートの6」は期待や幸福、
「スペードの9」は全カード中でも最悪を意味する「不運のカード」とされている。

現実逃避を自覚しながらも、逃避を続けなければ「悪夢」に直面してしまう、
おおまかにはそのような歌詞だろうか。
そんな曲のサビ、「そのカード(the card)」とともに始まる「陽気なアイドル~」の展開が以下。

youki1.png
美希は超能力のせいで社会に馴染めず、ヤクザの悪徳を親分と慕い犯罪に手を貸すことで
なんとか自分の居場所を得ようとしていた。(最終回、悪徳のもとを離れた美希には帰る家もない)
しかしヤクザのような落伍者の中にいても美希の異常性は明らかであり、
美希は社会から逃げたことで「逃げ場所にさえ居場所がない」という事実をかえって自覚してしまう。
美希はその事実からも目を背けていたが、09話(上画像シーン)にてついに悪徳からそれを突きつけられることとなった。
(こう考えると、涼が自分と同じ超能力者の律子さえ騙しきってしまったことから、
 「超能力者の中にいても異常」という涼の美希を超える異常性がよくわかる)

上の画像にあるモノローグのラスト、「一人にしないで。」の一文が表示されると、
「近づけないで」という歌詞とはうらはらに、美希はじわじわと追い詰められていく。

youki3.png
ちょう可愛い。
歌詞だけでなく、畳み掛けるような歌い方も絶望感の演出に一役買っている。

好きな歌詞について、『陽気なアイドル』シリーズの「TRICKER」では
このように物語(映像、文章)と音楽の展開に歌詞までも一致する臨場感や、
すべての要素が一体となって視聴者に襲いかかる興奮を味わえるところだろう。



「TRICKER」をBGMとするもう一人のキャラクター・あずさについても少し。
登場人物のほとんどが超能力者で、それに葛藤を抱えているのは共通事項ではあるが、
あずさと美希に共通していることは、
「超能力が原因で孤立」、「孤立が極限に達するまでの過程を徹底的に描写される」ことだろうか。
二人の状況を孤立、孤独、疎外のどれでもって表現すべきか迷うが、
ただ、美希の超能力に比べあずさのそれは周囲の人物も気づくほど明らかな害があり、
その分だけあずさの「孤独の極」は厳しいものとなる。
つまり、あずさ自身でさえ自分の存在を肯定できないでいるのが彼女の現実だ。

例えば上記の美希のシーンに入る直前、亜美真美の「色」からその壮絶な人生について
美希が自身の境遇に重ねて涙を流したくだり、
この亜美真美と美希、対するあずさの違いには「一人か否か」という点があるだろう。
(単純に登場シーンで他のキャラクターとコミュニケーションをとっているかではなくて、
 それまでの人生をどの程度他人と過ごしたか、"孤立"していたかどうかということです)

あずさは美希とは対照的に自ら自分を追い詰めている。
上述の通り美希とあずさの共通する部分として、
二人は「自身のおかれた“逃避したくなる”、“悪夢的”な状況」=「孤独の極限」を
意識しながらも半ば無抵抗に迎えてしまう、という点がある。
また、二人のモノローグには「気づいていた」、「わかっている」と“正しい”現状確認が繰り返される。
気付いていながらも逃げ続け、ついに逃げ場を失った美希に叩きつけられた悲劇は、
逃げ続けた分だけ彼女の悲壮感に磨きをかける。
逆に自らの死を肯定したあずさには、そうと決意させるほどの罪悪感が
殺された人々の姿を模して彼女の死を後押しする。あずさの現状確認は死の追認なのだ。
しかし、あずさが本当に逃避している「事実」は「孤独の極限」に伴うストイックな自殺願望ではなく、
それに反するエゴイズムとしての生存願望だ。
エゴから目を反らしながらも強く否定したいがために、あずさの「良心」は一層死を肯定しなければならなくなる。
死が善としてあるからこそ、それを邪魔する者を「害する」ことが一周して肯定してしまえる、
あずさのありようの難しさには見応えがある。
「逃避」している事柄を「否定」する、そういう矛盾もとても面白い。
「愛の反対は無関心」とはよく言ったもので、毒薬を求めておきながら双子やPと関わる一貫性のなさ、
「死にたい」あずさと「生きたい」あずさが共存する内面の複雑さが、このシリーズのあずさの魅力だと思う。
見ている私も、死なないでほしいとは思うけど生きててほしいかっていうと簡単には言えないもんねえ。


もう一度「TRICKER」の歌詞を、今度は2番サビから引用。

降伏の時がくる

そのカードをパスして
決め札を隠しているのは誰?

悲劇の王様になる
あなたは正しかった
運命を受け入れなくちゃ
「立入禁止」の場所に辿りつく前に
この仮面を剥がされる前に
決め札が消えてしまう前に



あずさのシーンで「降伏の時がくる」に合わせられる展開は、
youki2.png
「清算だ」と呟きながらPの名刺を放り投げるシーン。

Pはあずさの逃避行を遮る取っ掛かり、つまり生への未練であったが、あずさはそれを「清算」してしまう。
そんなあずさの生存願望を取り戻し、自殺願望を奪うのが!
あずさの放り投げた名刺(生)をキャッチして、毒薬の鍵をスった雪歩になる。

あずさのSOSを受け取るのが雪歩なのは納得がいく采配だと思っている。
雪歩はいじめから逃れようと存在感を薄めるうちに、人に観察されない超能力を手に入れる。
「雪歩視点の灰色は雪歩の言う色褪せた世界」
「雪歩はスクリーン越しに周囲を見ていると言ってもいい状態」
とマイリストコメントにあるように、
雪歩は結果として「遠回りな自殺、その帰結として生まれた幽霊」状態に陥り、
おそらくは本人も望まぬうちに屈折した形でしか他人や社会と関われなくなっている。
傷つくことを恐れ概念的な死へと自らを導いた雪歩は、
自らを消失させるという点においてはあずさの先を行くキャラクターとも考えられる。
だからこそ雪歩は“あずさの向かう先”に思い至り、その境地を疑似体験したからこそ
「あの人は、自分が今どこへ向かっているか、わかっていない」と言えたのではないだろうか。
それでも雪歩がスリ→銀行強盗→アイドル、と社会へのアピールを強めて
生きた痕跡を残そうとするかのような様子と照らし合わせると、
死にゆくあずさに対して雪歩が「これはきっと私の役目だ」と決断し、能動的に関わったことは
雪歩の人生においてもまた意義深いことだったはずだ。
(その視点で見ると、17話後編の律子との「決意した者同士」のやりとりも示唆に富んでいる)
そのようにして、群像劇の登場人物たちと素直には関われない雪歩の配役と活躍は
可愛いだけでなく深みのあるキャラクターとして描かれていた。
あと、アピールのステップアップがとんでもないのはアイマスの雪歩っぽくてちょっと笑ったw
雪歩は存在感のなさを活かしてスリの才能を発揮、物語にユーモアと勝機を与えてくれる魅力的な役どころだし、
スリをしては「やっちゃった^^」と悪びれず微笑むお茶目なキャラクターの雪歩可愛い!
「その10人で、ホテル強盗をしましょう」ってカット、シーンそのものの高揚感と
カメラに一番近いためぼやけた雪歩の背中の象徴的な美しさよ…。


アニマス春香の動画で書いたかもしれないが、
私は「悪い予感を自覚しながらも状況に逆らえず破滅する」、
みたいなカタルシスが好きなので、美希とあずさの「TRICKER」は最高に興奮するシーンでした。



ついでに視聴理由など。
基本的には各所でオススメされていたこと、原作既読だから。
原作ファンというほどではないが
(既読だけどほぼ忘れてるし、あずさのモデルキャラクターが登場する作品とか読んでない)、
原作ありの方が原作との比較や配役の妙など楽しみの幅が広いので積極的に見ることが多い。
あとはメインの4人組に雪歩がいたこと、00話の巧みな映像や音楽演出にそそのかされて。

『陽気なアイドル』シリーズは各キャラクターが特異な能力と人生を備えており、
それらが交差することで物語が意外な方向に転がっていく。
群像劇の生む奇妙な関係性の面白さ、関係性から引き出される個々のキャラクターの魅力、
加えて配役の妙など、こちらの予想を裏切るような意外性?も継続理由のひとつだ。

あとこれは私だけかもしれないが、「超能力」という設定の理解について。
春香の「嘘発見器」という能力はわりあい現実的な理屈があり、
初めは春香を超能力者ではなく天才的なスポーツ選手のようなものだと捉えていた。
4人組では真・雪歩も同様で、逆に律子だけが明らかに先天的に人間業ではない技術をもっている、
すなわち超能力者だという認識だったのだが、
ところがキャンセラーやよいの登場で、(私からすると)春香は急に超能力者になった。
春香たち超能力者はやよいによって普通の人間らしくなれるのかもしれないが、
見ている側からするとやよいの能力に影響されることこそが普通ではない確たる証拠になる。
真のようにアイマス本来のキャラクターとの差異が大きければともかく、
春香は一見本来の「普通」イメージと大差ない行動をとっているように見えた(銀行強盗だけどw)こと、
過去があからさまに伏せられたことも拍車をかけて、
「普通」の顔をしながらまったく「普通」ではない春香こそ底知れない人物に見えてきたり。
それこそ「普通」の世界で生きる春香母も抱いた恐怖なんではないだろうか?
勘違いが原因とはいえ「普通のようで普通ではない春香」への戸惑いは私の心を掴んで、ついに最後まで離さなかった。
春香とやよいのやりとりで初めて『陽気なアイドル』世界は
普通の世界に紛れた異常者の話というより、常人には立ち入れない異常者が中心の世界の話なのだ、と気づいた。




//
なんでテキスト系の記事が少ないのかと思ったら、書きっぱなしで上げてないやつが多いっぽい。
これも上げるタイミングを逃してたやつ。書いたのは2年くらい前(まだスクショする気力のある頃w)。
あずささんのところとかくどくて、もう少しスッキリさせたいけど難しいねー。
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